For Earth, For Life Kubota

クボタ環境サービス株式会社

ホームコラム > Vol.09 北の大自然で未来の循環型社会と向き合う

北の大自然で未来の循環型社会と向き合う 斜里町一般ごみ資源化処理施設

世界遺産・知床の未来に関わる現場

斜里はアイヌ語のアシが生えているところという意味の
「シャリ」からきているそうです。
面積は737km²あまり。人口は1万2千人程度の静かな町。
世界遺産の知床で知られ、多くの観光客が訪れるところ。
冬の寒さは厳しく、美しい流氷をみることもできます。
「道東に位置するので雪は少ないかと思っていたのですが、建設中は比較的多くて大変でした。気温もマイナス20度を超えることもありけっこう厳しかったです。」

今回の現場はこの斜里町民の生活を支えるごみ処理場。
市街地から15キロほどの場所にあります。施設の特徴は、一般ごみ、粗大ごみを高温高圧処理によりバイオ燃料化して場内で有効利用するなど、「循環型」の処理を目指していること。世界遺産の町にふさわしい未来を見据えたプラントです。この施設の設計・建設から完成後の運転・維持管理までを行う大きなプロジェクトとなりました。
「この世界遺産・知床にあって、町民の生活などから出る一般ごみを燃料化して有効利用を可能にする意味で本当の循環型社会を目指す施設だと思います。この施設を作り上げることに携われたことはとても良かったと感じています。」
クリックで拡大 クリックで拡大
流氷
流氷
斜里町 港
斜里町 港
斜里町一般ごみ資源化処理施設
斜里町一般ごみ資源化処理施設
ごみを高温高圧処理したものから生成され たバイオ燃料。場内のバイオボイラなどで 有効利用されます。
ごみを高温高圧処理したものから生成され たバイオ燃料。場内のバイオボイラなどで 有効利用されます。
バイオ燃料を燃やすバーナ
バイオ燃料を燃やすバーナ


運転・維持管理の経験を設計・建設に活かす

未来を見据えた新しい「循環型」のプラントであるということと、もうひとつ、重要な課題がありました。それは、これまでさまざまなプラントの運転・維持管理をしてきた、たくさんの経験をどうすれば設計・建設に活かせるかがカギになります。
「運転側から見た設計、設計側から見た運転、その両方からの話をプロジェクトの立ち上げの段階からやりました。これはとても重要なことだと思います。実際その成果はいろいろなところで現れていますよ。」
クリックで拡大 クリックで拡大
設計段階での綿密な計画が重要と プロジェクトリーダー、印南
設計段階での綿密な計画が重要と
プロジェクトリーダー、印南


スピードと個性を活かすプロジェクト

プラントの設計・建設から実際の運転管理へ安心・安全に引き継ぐまでのプロジェクトチームですから、様々なシーンでの要求に柔軟に応え、提案、実行することが求められます。しかも実際のプラントはごみの受け入れから選別や高温高圧処理、バイオ燃料の製造、排水処理など様々なことを行う施設でもありますから色々な知恵をまとめあげる必要がありました。
「プロジェクトリーダーに色々な権限を与えて、より迅速な判断と行動ができるようになっていたのが良かったと思います。ひとつひとつの問題に効率よく対応して処理できましたね。」 とプロジェクトリーダーの印南(いんなみ)。
「私は焼却部門ですが、設計は主に水処理関連が多く、そのほかリサイクル関連のベテランや、広く色々な業務に関わって来たスタッフで色々な経験の寄せ集めなんです。これが良かった。たとえば焼却関連のスタッフだけで仕事を進めると考えが広がらずにどんどん小さくなってしまう。」
色々な環境で異なる業務に携わってきたスタッフをまとめ
るのは大変ではないかと尋ねました。
「きちんと丁寧に話をしてちゃんとわかりあうことが重要です。これが品質やスピードにつながります。」
お客さんの要求、地域や住民の状況、そして自然環境など様々な条件に配慮して、決められた期限までに答えを出し形にしていく。そのアクションはこの美しく静かな雪景色とは対照的に熱くハードでダイナミックな印象を受けました。
クリックで拡大 クリックで拡大
いろいろな経験、様々な個性が集まったユニークなプロジェクトメンバー
いろいろな経験、様々な個性が集まったユニークなプロジェクトメンバー
厳しい寒さの中で続く冬の作業
厳しい寒さの中で続く冬の作業
斜里岳
斜里岳
「機器の圧力漏れなどは大敵日々点検」 場内にかかわらずはく息が白い。
「機器の圧力漏れなどは大敵日々点検」
場内にかかわらずはく息が白い。


循環型社会を目指す新しいプラント

町民の生活を支えるこのプラントは1日あたりおよそ10トンのごみの処理が可能。しかも目指したのはそのごみを高温、高圧で処理したものからバイオ燃料を生成し、場内で燃料として有効利用するという新しい資源循環型のプラントです。
限りある資源を有効活用するといったよく言われる理屈ではなく、世界遺産でもある知床の自然を目の前にすると、この壮大な美しさを未来につなげていく責任のようなものと相まって、このプロジェクトの重要さが見えてくるような気がします。
この未来を見据えたプラントの設計・建設そして運転、維持管理のために結集された様々な分野・・・たとえば水処理や焼却などの垣根を越えたノウハウの融合と、現場でのひとり一人の知恵や行動力によって積み上げられる実績は、そのまま未来の循環型社会に向けた貢献とも言えるかもしれません。
「これからこういうケースというか、プロジェクトは増えると思いますし、どんどんやっていきたいですね。」
思いははさらに熱くなっているようでした。
クリックで拡大 クリックで拡大
町民の生活ごみが運ばれてくる
町民の生活ごみが運ばれてくる
処理待ちでスタンバイするごみ
処理待ちでスタンバイするごみ
ごみを高温高圧処理した生成物。無害化され、かさ(量)も減りバイオ燃料に。
ごみを高温高圧処理した生成物。無害化され、かさ(量)も減りバイオ燃料に。
綿密な連絡・報告が毎日の安全な操業を 支えます
綿密な連絡・報告が毎日の安全な操業を
支えます


気持ちよい施設

「まだ屋根があいたままのときに、大雪が降って施設内に雪が溜まってしまったことがありました。取り除くのが大変な苦労で・・・。」建設工事を行った年は思いのほか雪に悩まされたとリーダー・印南は苦笑い。
でも、施設内はとても整然としてて明るい印象です。実は
杭打ちからおよそ6ヶ月というスピードで完成しているそうです。
「これも建設のチームときちんと綿密な計画を立てて工事に当たったからなんです。実際場内もきれいでしょ。操業をする、維持管理をする、ということのためにはとても大切なことだと思うんです。」
クリックで拡大 クリックで拡大
整然としたきれいな施設内
整然としたきれいな施設内
小さな計器も見逃さないと事業所長
小さな計器も見逃さないと事業所長
スタッフ全員が一丸となって維持管理に あたる
スタッフ全員が一丸となって維持管理に
あたる
燃えるバイオ燃料の光
燃えるバイオ燃料の光


未来に向けて毎日

この施設では1日あたり10トンのごみを毎日処理し続けることを想定しています。つまりこの性能を毎日発揮できるように、常に最適の状態で運転、維持管理するということが重要です。
設計・建設から施設を引き継ぎ、毎日の運転・管理を担当する事業所長は
「運転管理の要望というか事情を見据えた設計なりができています。点検の見回りでは所員全員が小さな計器の数値まで見逃すことなくチェックを欠かしません。全員です。」
取材を終え帰路についた夕方。インタビュー中に降ってい
た雪も止んできれいな夕陽が北海道らしい美しい景色。
新たな資源循環型社会へのひとつのステップとなるプラントの設計・建設から日々の運転を行い町民の暮らしを支えるということは、そのまま世界遺産の美しい町の未来に関わることなんだなと強く感じさせられました。
クリックで拡大 クリックで拡大
未来に向けて毎日


ページの先頭へ