この地域の源流となる屈斜路湖は水質がとてもきれいで、釧路川から釧路湿原、そして海へと続く広大な地域の魚や水鳥、植物などの命を支えています。暮らしはこの恵みの水をいただき、汚れた水はこの施設に集められきれいな水に生まれかわります。
ここではたくさんの貯水池やタンク、パイプに囲まれて水質管理と電気メーター、各種ポンプ場などの点検業務が主な日課です。
「処理した水は釧路川に流すんですが、釧路湿原は国立公園で観光地でもあるので、品質にこだわった水作りを心がけてますね。」
暮らしと自然の両方が相手ですから、気候の変化にあわせて様々な調整をして常に安定した水作りをしなければなりません。たとえば雪のときは除雪も大変ですが、雪解け水で水量が増え、処理にもいろいろ影響が出るので対応に追われます。汚水はいろいろな処理をして無色透明なきれいな水にします。でも本当にきれいなのかどうかは中を見ただけではわかりません。もちろん厳しい基準の水質検査はしますが、まず人の感覚でいかに早く見極めるかが迅速な対応の秘訣。
「まずは匂いですよね。まず匂いだけで薬品がだめだとか、水質がどうかとか分かるようになります。ベテランは経験、直感で分かるんです。」
匂いや色を識別する技は日々の努力の賜物なんですね。